記事一覧

2012.05.10

 第65回 奈良句会(5月句会報告)

ファイル 207-1.jpg

 やや小雨の中で、13名参加の奈良句会。
今月は高田まさじさんに「選者」を体験して頂く、これも勉強のうち !(^o^)! では「次第」の披講から
      ○は佳句、◎は特選 

 ☆ 「次第」 高田まさじ選
  手当たり次第ものを投げ込む妻の乱  寅次郎
  馴れ初めはどうあれ恋の大当たり    順啓
  君次第だと合鍵を前に置く      真理子
  だんだんと減るとはいってもあと億万年 宥子
  君が代がまごついている式次第     孝志
 ○むかむかと茶碗に当り散らしてる   怜依子
 ○鬱憤にあなた次第の砂時計       憲子
 ○あなた次第と思っていたが孤独です   隆子
 ◎事の次第によって助太刀いたします  怜依子

 ☆ 「次第」 板垣孝志選
  あの恐怖次第に記憶から消える    まさじ
  式次第起立不起立試される       菜摘
  背がのびて隠すおやつは最下段     宥子
  台どこの天気次第で義理も欠き   あきひこ
  花の香があなた次第と纏いつく     菜摘
 ○カラフルな生前葬の式次第      真理子
 ○ことの次第によって助太刀いたします 怜依子
 ○復縁をあなた次第と言われても    みほ子
 ◎君次第だと合鍵を前に置く      真理子
    
    ☆「次第」互選上位の句
 あなた次第と思っていたが孤独です    隆子 4点
 花の香があなた次第と纏いつく      菜摘 5点
 一度目はドキドキだったなあ確か     憲子 6点
 君が代がまごついている式次第      孝志 7点

 ☆第三部は印象吟(写真参照) こちらは互選のみ
 
 つぶされていたい痛いとないている   まさじ 1点
 この家の緩衝剤は酒か子か        宥子 1点
 時時は楽しんでいるプチ家出      みほ子 1点
 だれ言うたんこれでストレス落とせとは 怜依子 1点
 戦の火種あっちにもこっちにも      菜摘 1点
 どれほどの卵が孵る春四月       真理子 3点
 憤り指でつぶせるもんやない     あきひこ 3点
プチプチも心のサプリですきっと    寅次郎 4点
 またひとつ脳細胞が消える音       孝志 7点

 川柳瓦版へのダブルヘッダー組を除いて、希望者だけの懇談会はマンネリを避けるための意見交換会。
 ※次回から選者吟を追加する
 ※句評会は早めに作者を発表して、より深く作品を検討する。
 ※没句に限らず、試験的作品も出して貰う。 などなど・・・      

   

2012.05.09

アイコン 静岡句会から

 5月6日
第62回静岡句会を開催した。出席者16名。他に1名見学させてほしいという方があった。

 句評会から
○もう一度は無理ですウルトラX  重勝
 Cを越えた、Xもあるということか。
作者は漢検準1級に合格。そういわずに1級に挑戦して下さい。

○ごつい手にほどかれました蝶結び  団石
ごつい手にほどかれたのはパンツの紐ということらしい。「ほどかれている」ではなく「ほどかれました」となっているところに違和感はないか、作者から問いかけがあった。

○クールビズ男の目玉熱くなる  弘
「クールビズ=男の夏のスタイル」と思っていたが、
女性のクールビズもあるとか。なるほど目玉は熱くなりますか。

○振り返る道に山坂消えている  日光
 消えているがいいと思う。そういう境地に立ちたいものです。
格好良すぎないか、(付けすぎではないか)という声もあった。

○ヒローが包まれている新聞紙  棋人
 既視感のある句という声もあった。伝達性もあって、既視感のない句は難しい。川柳は難しい。

 句会 「次第」 望月弘 選
佳作 カミさんが牛耳っている式次第   棋人
   赤い風船あなた次第でどこまでも  ケンジロウ
   愛情が次第に義務になっている   ケンジロウ
   レモンがりりあなた次第だなんてイヤ  季楽々
   会場をきりっとさせる式次第    まつゑ

秀句 何事もなくて観覧車は下がる    団石
   心待ち次第で変わる空模様     恭子
   結論を言ってよ鍋をかけてある   季楽々

特選 てのひらの夢が次第に弾みだす   明日歌

 「次第」句ノ一 選
佳作 順不動などと不埒な座席表   弘
   何事もなくて観覧車は下がる  団石
   一滴を育て大河へ送り出す   団石
   てのひらの夢が次第に弾みだす 明日歌
   この先はあなた次第という蝶々 明日歌
   式次第予定どうりで眠くなる  武子
   お小遣い成績次第で上下する  まつゑ
   心持ち次第で変わる空模様   恭子
   ゆれ出した次第に不安石になる  夢花

秀句 そうなんです天国からも声がする  洋子
   香水の匂いに勝ったサロンパス  棋人
   愛情が次第に義務になっている  ケンジロウ
   結論を言ってよ鍋をかけてある  季楽々
   レモンがりりあなた次第なんてイヤ 季楽々

特選 名門も金には裏を開けておく  日光

サロン
 影響を受けた句を、句ノ一、棋人、団石、恭子、明日歌、
季楽々、弘、日光があげた。
 機会を見て全員に聞いてみたい。

 次回静岡句会は
  6月3日(日)長泉町文化センターで行います。
あなたをお待ちしています。(^0^)

2012.04.25

アイコン 川柳マガジンクラブ茨城句会4月例会

ファイル 205-1.jpgファイル 205-2.jpgファイル 205-3.jpgファイル 205-4.jpg

川柳マガジンクラブ茨城句会4月例会

平成24年4月23日(月)
第63回川柳マガジンクラブ茨城句会が茨城県取手市の藤代公民館で開催された。
 出席者は、大谷仁子、山口幸、岡部洋子、中村裕子、浅野ゆき子、本荘静光、高橋まさ、坂倉敏夫、葛西清、木村昭栄、市原凡斎、世話人の林比左史、大田紀伊子の13名。当日の宿題と選者、入選句は次の通り。
3月句評会
・特に話題にあがった句
好きなこと言葉の森のかくれんぼ    太田紀伊子
絶対に本音言わない柔和な目      岡部洋子
飲む奴も飲まない奴もよく歌う     本荘静光
デジカメに今年の桜揃い咲き      林比左史
罪なのか会議で欠伸噛み殺す      高橋まさ
汚染灰撒いて花咲か爺の罪       浅野ゆき子
魚好きセシウム無視し手を伸ばす    大谷仁子
・その他句評会出品作
深呼吸出来ぬ花粉に放射能       木村昭栄
一流から落ちる早さは横の道      山口 幸
春嵐立ち去ることを祈るのみ      中村裕子
浪花ではクシャミファッショと聞えます 市原凡斎
無口な母つっと肩先撫でに来る     葛西清
危機意識少なさ笑う放射能       坂倉敏夫
三分吟「蕎麦」葛西清 選
出前持ち高く積んでる蕎麦の盆     山口 幸
久しぶり何はともあれ蕎麦を食う    市原凡斎
ふるさとを真白に染める蕎麦の花    岡部洋子
蕎麦粥は風邪を引いてのごちそうに   高橋まさ
色の濃さ味と香りとおらがそば     市原凡斎
一杯のかけそば暮れの良い話      高橋まさ
信州で自慢の蕎麦に舌を打つ      坂倉敏夫
まずビール蕎麦が延びてる父の夕    岡部洋子
蕎麦つゆが丁度の味で締めくくる    浅野ゆき子
旅みやげ必ず蕎麦を買ってくる     高橋まさ
信州に素朴訪ねる蕎麦の里       林比左史
白い花痩せ地にも成る蕎麦旨い     太田紀伊子
人 月見そば池に写った影すくう    林比左史
地 そば一つ食べて夜なべの母の業   坂倉敏夫
天 勢いでかきこむ蕎麦のつゆ散らす  市原凡斎
軸 新そばに割り箸の音ふり掛ける

四分吟「朗報」高橋まさ 選
いい便り顔がほころぶ電話口      坂倉敏夫
受かったよメール絵文字がはねている  木村昭栄
サクラサク春一番のいい便り      坂倉敏夫
朗報に一家総出のバーベキュー     林比左史
いい報せ原発の地に桜咲く       林比左史
避難地の解除ふるさと急ぐ足      林比左史
ゴルフする病の友のいい便り      坂倉敏夫
朗報が駆け足でくる花マルだ      太田紀伊子
就活が成功だった孫の意地       太田紀伊子
朗報を待って電話の前七日       中村裕子
お母さん私もママになれました     浅野ゆき子
キザミねぎ音リズミカル妻元気     葛西清
合格の知らせへ財布唸ってる      太田紀伊子
朗報に集う一族二十人         岡部洋子
朗報と喜ぶべきか大往生        本荘静光
人 朗報の一番電話ばばに告げ     山口 幸
地 つばめ来る明るいニュース友として 岡部洋子
天 今日を生き食事もすすむ老いの春  市原凡斎
軸 朝刊のトップに喜喜とトキのひな   

宿題「歳時記」太田紀伊子 選
昭和なら羽織袴の初節句        浅野ゆき子
歳事記に同想句あり自信つき      木村昭栄
歳時記のめぐり巡って古希の春     市原凡斎
暦みる春の足音ききながら       中村裕子
あと何回まわるか僕の歳時記は     本荘静光
ツアーバス花咲かないが押し寄せる   林比左史
どんぐりが今日もしているせいくらべ  岡部洋子
三・一一歳時記からははみ出され    坂倉敏夫
歳時記の単語連ねて一句詠む      中村裕子
寺町は歳時記通り廻ってる       山口 幸
人 メーデーを知らぬ世代のニートたち 浅野ゆき子
地 避難先温い三春の滝桜       林比左史
天 歳時記にもてあそばれて旬野菜   市原凡斎
軸 歳時記に頼りすぎても句にならず    
没句鑑賞
季節少し早めに歳時記は追う
 全体では十七文字になっている。下四。
誘いの電話は春の色で鳴る
 選者は「さそい」と読み、作者は「いざない」と読んでほしかったというが。
白い雲心も萌える靴弾む
 イマイチ。課題から遊離。

2012.04.21

 四月大阪句会報告

定例句会を17日いつもの中央公会堂にて実施した。
参加者は11名(男性;5名)

宿題「以上」の入選句は次の通り。
・喫水線ギリギリ もう積まないで
・沸点を超えても自重するマグマ
・カミングアウト今日から女です以上
・以上と言うて逝きたいもんでんな
・文句より先に飲ませてくれ以上
・事件解決そして誰も居なくなり
・生きている以上は愛を重ねたい
・もう触れないで表面張力です 私(特選)
・通り抜け今年の春を終わらせる
・これ以上は神さん決めてくれること
・これ以上機能増えても使えない
・それ以上飲んだら海がひからびる
・もう研がないでのっぺらぼうになっちゃうわ

 「以上」に対して様々な解釈に成程、成程。

次に席題は「樹脂製の箱に真珠玉十数個入れて」の印象吟。
入選は下記の通り。
・悲しいね真珠は人を選べない
・乙姫の怨念こもるパール箱
・個性派も団塊という一括り
・ビーズ玉たっぷり溜めて母が逝く
・絆を解かれのっぺらぼうになる真珠
・ふわふわのパールは恋を知らなくて
・背徳のパラリと切れたネックレス(特選)

恒例の「句評会」への投句とコメントの主なものは下記。
・わたくしを研ぐやさしさの薫るまで(10点) 鮮度古いがー
・葉桜になった本音をぶちまける(8点)   力強さ
・水墨画白いあたりに旅の人(7点)    キレイ、静と動
・注ぐ愛注がれる愛将棋盤(5点)  おもしろい、ユニーク
・鳥は羽ばたく島は待ってる(3点)  短句のリズム感

 ここでは「感情を出し過ぎる」とか「自分が入ってない」とか
相反する意見が出たが、感動できる内容であれば何でも良いので
はとの意見が体勢であった。

「サロン」
 句への感動とか定型、季語などについて議論を交わした。
 
 次回も昼間です。参加をお待ちしております。

2012.04.11

アイコン 川柳マガジンクラブ東京句会4月例会

ファイル 203-1.jpgファイル 203-2.jpg

川柳マガジンクラブ東京句会4月例会

4月8日(日)第68回が開催されました。
今回の参加者はお世話役の植竹団扇、松橋帆波さん他21名、欠席投句が6名、合計29名でした。川柳歴27年のベテラン、千葉・習志野の福島久子さん(ブログ筆者は以前NHK学園全国川柳大会大賞を受賞された「順調に老いていますとお医者様」を記憶)が初参加されました。

1、自由吟互選と句評会
句評会は出席者が3句ずつ選びますが、結果はゼロ票9句、一票7句、二票6句、三票2句、五票2句、六票3句、七票1句でした。
今回も、句評会の互選ゼロ票の句は掛け合いで論評しました。順風さんと桃葉さんが担当しました。
(1)ゼロ~三票の句より
  ご懐妊嫁もパンダもまだ未定  千代子
順風「面白いことを題材にしたと思います」
桃葉「若い人が結婚するとまだかまだかと言いたくなるが、かわいそう。未定ということばがいいと思います」
こいし「私は次点として選びました。親の願望を表している句ですね」
疑問をつけた利江「嫁とパンダがわからなかった。嫁が来ないということでしょうか。主眼はどこにあるのでしょう」
帆波「嫁という表現は最近の芸能人などは自分の奥さんのことを言うが、この句は息子の嫁とニュースになったパンダのことでしょう。パンダのメスは可能性が三日しかなく、しかも出来たかどうかが大分後にならないとわからないそうです」
作者の千代子「わかりにくい句でどうもすみません。期待しますがわかるのに随分かかるそうですね。息子の嫁に聞きづらいことと重ねて詠みました」
  老人ホーム死後発見の怖さ知る  順風
桃葉「近くにも老人ホームがあって覗くことがありますが、いじめなどもありそうで怖いです」
順風「最近のニュースのことですね。一週間くらい孤独死が気付かれなかったようです」
帆波「事件があったそのことですね。高いホームでは人が動いているかどうか感知するセンサーなども有るらしいですが。個人の生活を守ると言う面もあって難しい問題です」
作者は順風さん「そういうホームがあるのかとびっくりしました」
団扇「先ほどはしらっとコメントされてましたが、ご自分の句だったんですね」(笑い)
  送別の花が萎れている始発  正
久子「良かったからとりました(笑い)。なにかドラマがありそうです。送別で花をもらったが、次への始発でもあると言うことでしょう」
句がよくわからないと言う声でがやがや。
作者の正「始発電車で寝ている娘さんの横に花束があった、という実景に出会って詠みました」
  棺に蓋されて評定下される  倫也
三十六「(評定は)もう言い尽くされている。下されたあとはお酒になる。本人なら「もうほっといて欲しい」というところでしょう」
作者の倫也「他の句会で「勝負」の題で「判定」として出しました。死して後直ぐ忘れられる人といつまでも思われる人がいる、と言うことを詠みました」
  エジソンのママの子ならば僕だって  六平太
以呂波「子供は親を選べないと言うから面白いと思いました」
団扇「私もそう読みました。生徒に「金八先生みたいになれ」と言われて「金八先生の生徒みたいになれ」と言い返したことがありました」
筆者含め一部の人はこの句が読み取れず「ああ、そういう意味だったんですねえ」
作者の六平太「エジソンの母は立派だった。自分の子供を信じることは大事です」
帆波さんから、エジソンは問題児と見なされ小学校をわずか3カ月で中退させられたが、息子の才能に気付いていた母は先生代わりになって勉強を教えながら、自宅で好きな発明に打ち込める環境を与えたことなどの説明していただいた。
  ことんことん車窓に踊る缶ビール  游子
正「これは良い句。ゆったりした旅の感じが出ています」
久子「田園風景、旅の風景が浮かびます」
桃葉「何度か見たような風景が浮かびます」
欠席の作者游子さんのコメント「在来線のスピード感が心地よいです。新幹線は旅に向きません」

(2)言葉にかかわる話が出た句
 今月は、辞書を引いてはじめてわかった言葉、使い方が引っかかる言葉などの句が多かったので取り上げて見ます。まず、そういう句ではありませんが言葉の句を挙げます。
  川柳を知り日本語が面白い  こいし
桃葉「面白いとは思うがあまりにも素直すぎる句です」
順風「楽屋吟のような気もします」
帆波「楽屋吟っぽいが、川柳を詠んだのだからまあよいかとは思います」
作者のこいし「単純のそのままを詠みました」
団扇「以前「日本語は噺家さんに教わった」というのを作ったことがあります」
  宝くじ甘いロマンス追い続け  桃葉
桃葉「これ、私の句なんですが。私が追い続けています」(笑い)
順風「宝くじを甘いロマンスと表現したことが面白いです」
疑問を付けた睦悟朗「ロマンスは「恋物語」ですからちょっと引っかかりました」
団扇「ロマンの方が良いかな」
  ミネルヴァの梟原発へ急げ  久子
 「ミネルヴァ」は多くの参加者がわからなくて、投票前に辞書を引いたり、教え合ったりしていました。(注:ミネルヴァ=ローマ神話で、技術・職人の女神。ギリシャ神話のアテナと同一視され、アテナの権能が後に付加された。 ミネルヴァの梟=ミネルヴァの連れている梟。知恵の象徴。 筆者の余談:そう言えば、ラジオで毎日宣伝している債務整理・過払い金返還請求の弁護士法人・東京ミネルヴァ法律事務所のミネルヴァはこのことだったんですね)
利江「意味がわかってみるとなかなかしゃれた句だと思いました」
こいし「辞書を見て、面白いなと思いましたが、最初はわかりませんでした」
疑問を付けた品子「言葉がわからなかったです」
  ブラボーの余韻が残る恋ごころ  栄子
順風「面白い句だと思います」
桃葉「余韻が残る・・・恋ごころ・・・良いなあと思いました」
帆波「ブラボーをこじゃれた使い方してますね。ブラボーはロシヤ語です。イタリヤ語でブラーヴォ(ラにアクセント)、フランス語でブラヴォ(ヴォにアクセント)などです。ブラボーと恋ごころのつながりがわかりにくいですね」
以呂波「恋ごころを鍵括弧書きにする手もありますね」
作者の栄子「実際にシャンソンを聞きに行って、みんながブラボーと叫ぶのを聞きました。それにシャンソンの「恋ごころ」も引っ掛けて詠みました」
で、参加者納得し、「ああ、越路吹雪さん、岸洋子さん、菅原洋一さん・・・などとがやがや」団扇さんが一節を歌いだしました。
  医薬品なのに怪しいバイアグラ  帆波
順風「句自体も怪しいと思いました(笑い)。こういうの嫌いではありませんが」
桃葉「時事句だと思いました。今騒がれている・・・」??
作者の帆波「本当にそのままです。ファイザーが別の目的の薬を開発していて、副作用を発見して毛生え薬ともう一つに対する効用に興味を持ったのです。血流を良くするというところからの効用です。ですからファイザー製はれっきとした薬ですし、値下げ販売などしません。一方、偽物が出回っています」
三十六「催淫剤出はないということですよね。(血行を良くする薬なので)酒と一緒に飲んではいけないのですよね」
ブログ筆者を含め多く参加者には大変勉強になりました。
  指揮棒がカイザル髭のように跳ね  芳夫
 六票の高得点句です。
正「面白く、上手いこと作りました」
順風「シムケンがコントでやっていたような上手い表現です」
倫也「指揮棒の先がひょいと跳ねるのとは上手い見つけです」
利江、千代子、品子さんたちからも同様なコメントがありました。
作者の芳夫「高校生が先生の真似をしていたのを見ての発想です」
こいし「カイザルはカイゼルではないのですか」
声「カイザルでも良いのでは」
(注:髭が付くとドイツ皇帝ウィルヘルム二世のような髭を指すのでカイゼル(髭)のほうが一般的のようです。皇帝名Kaiser(ドイツ語の読みはカイゼル)は(日本語の習慣的な読みとして)カイザル、カイザーもありのようです)
  モーツアルト聞きながら読むぞっき本  正美
 七票の最高得点句です。
 「ぞっき本」はほとんどの参加者がわからなかったようで、前出のミネルヴァ同様に、投票前に辞書を引いたり、教えあったりしました。そして意味がわかると面白い句だと感じた人が多数出ました。
しげる「モーツアルトとぞっき本との取り合わせが上手いと思いました」
こいし「ぞっき本は初めて知りました」
睦悟朗や朔太郎さんなどから同様なコメントがありましたが、ユニークなコメントもありました。、
芳夫「選ぶ人がいないかと思ったので犠牲的精神で一票入れましたら・・・」
六平太「ぞっき本の中味が問題。どんな本なんだろう」
久子さんから疑問も「モーツアルトとぞっき本が離れすぎているように思います」
作者の正美「犠牲的精神で選んでいただきありがとうございます(笑い)。先生との集いでいろんな勉強をする会で、こんなこともありました。なおぞっき本には江戸の春画の入ったものもありました」
帆波さんからぞっき本は新刊の本の売れ残ったものを定価を切って売るもので古書とは違うとの説明がありました。
団扇さんの締め「みんなに辞書を引かせて、トップになり良かったですね」

(3)本歌取りの句
  笑う門なのに資産がない我が家  睦悟朗
ゆめか「おかしかったのでとりました」
以呂波「今の世の中で資産が無くても良いのではないですか」
倫也「疑問ではないのですが、もう一句を含めて本歌取りの句をどう扱うのかと思いまして」
帆波「本歌取りについては後でまたお話ししましょう」
作者「格言をひっくり返しにしてみました」
  古池や蛙尋ねるシーベルト  品子
 五票の高得点句です。
千代子「本歌取りでもリズムがよい。また重い問題を軽く詠んでいるのが良いと思いました」
和子「蛙だって考えちゃう」
正美「時事吟を芭蕉に重ねて軽く詠んでいるのがいい」
朔太郎「芭蕉から東北という連想もあります」
倫也「本歌取りをどう扱うか」
帆波「本歌は飛び込むなのにこの句は飛び込もうかどうしようかと考えている。そこが本歌取りでも完成度が高いところですね」
作者の品子「俳句を使って出すといろいろ言われるだろうとは思っていました」

 帆波さんが資料を1枚用意して本歌取りの説明をしてくださいました。
☆古くは藤原定家が和歌についてまとめた本歌取りの原則がある。
☆言葉や表現が次第に固定化してしまうことからの脱出法としての意味もある。
☆あの句だと連想される世界と別の世界を表出し、重ねて鑑賞する一方大きく離れた世界をも鑑賞する。
☆単なる言葉の遊戯ではまずい。

(4)その他の高得点句
 五票の句
  エアコンも年寄りらしく高鼾  惟夕
正美、六平太、品子、倫也さんらから「わかりやすいが見付が面白い」と言う評価がありました。
 六票の句
  通帳という年金の仮の宿  朔太郎
 倫也、以呂波、品子、順風、三十六、正美さんはじめ出席者は年金生活者が大多数なので、共感と「仮の宿」という見つけへの賞賛の声がありました。
帆波「自動的に引き落とされるのも含めて、仮の宿とは面白い表現です」
作者の朔太郎「最近直ぐに出て行くケースが多いので、それを仮の宿としました。年金でなにか出来ないかなあと思って作りました」
  余生との境界線がぼやけ出す  しげる
 利江、六平太、栄子、桃葉、絵扇、正さんと睦悟朗のコメントが、①長生きになってきて、高齢者は幾つから、という境目がだんだん高い年齢に移行するし、ぼんやりしてきた、②高齢になって惚けが進んできた、の二つに分かれました。
作者のしげる「惚けとかあの世との境界線とかではありません。高齢者が増えてこれからが本番の人もたくさんいるし、いつから余生かと言う境目がぼやけていると言うことを詠みました」

2、宿題の課題吟
課題吟は「遠のく」小倉利江さんの選でした。
選者の弁「遠のくと普通に遠くなると混同したり、その辺が曖昧な句が多かったです。また遠のくから遠い句も外しました。ふるさとが多かった中で一句いただきました」
「秀」
  母が逝き足が遠のく里帰り  栄子
  付き合いを疎遠にしてる遠い耳  朔太郎
  もう誰もお酌に来ない目が坐る  芳夫
  行き違いあって気まずい仲となり  以呂波
  幼少に別れた父は霧の中  絵扇
  初恋が遠のいていく淡いまま  ゆめか
  墓だけの里想い出も風化する  桃葉
  会う度に布教の友へ距離をおく  千代子
  オフィスラブの夢が遠のくメタボ腹  正
  人影が金の切れ目で遠くなる  しげる
「五客」
  ひとーつふたーつ麻酔が効いてきた  こいし
  引き潮に攫われて行く浮き袋  三十六
  敗戦日昭和が遠くなって行く  三十六
  わたしはカモメ地球だんだん遠くなる  久子
  死神が去った心臓マッサージ  縁太
「三才」
  俊寛のように見送る終電車  芳夫
  発想に驚きの声が上がりました。
  行かないでずっと行かない映画館  芳夫
  すれ違い夫婦に橋が遠くなる  久子
軸 ゲーム機が活字離れを助長させ 利江

3、3分間吟
 最後に、福島久子さん出題、選で3分間吟を行いました。課題は8日がお釈迦様の
生まれた日だからと「誕生」でした。
「佳作」
  新しい言葉生まれるバラエティー  正
  新しいスターを生んだ知事批判  正
  誕生祝夫婦茶碗よ割れないで  桃葉
  男子誕生女系家族に幟立て  桃葉
  生まれたての孫ケイタイに乗ってくる  和子
  僕の誕生きっと何かがある筈だ  しげる
  嬉しくも淋しくもあり誕生日  利江
  お釈迦様忘れていたが駅で知る  栄子
  誕生日鳴子こけしは知っている  三十六
  私を生んだお方は誰ですか  倫也
  少子化へ出来ちゃった児も祝われる  利江
  近頃はめでたくもなし誕生日  睦悟朗
  誕生日子等の電話がまだ来ない  睦悟朗
  誕生日うっかり忘れ妻怒る  睦悟朗
  選者「怒る妻 とすべきでしょう」
  バースディケーキふっくら焼けました  千代子
  佐渡の夢トキも必ず生まれます  千代子
  蛙の子ごちゃごちゃと生まれてる  順風
「秀」
  タケノコのように竜馬の名乗り合い  品子
  留守の間にやたら生まれた金魚鉢  和子
  宇宙誕生を見て来た綿飴機  芳夫
「特選」
  満月のサンゴ誕生するルンバ  帆波
 軸 星の誕生宇宙の神秘見つめられ 久子

 次回の東京句会は5月13日(日)駒込学園にて開催です。
 課題吟は「電波(表現自由)」三句詠です。
 詳しくは、新葉館のホームページをご覧下さい。

2012.04.04

 第64回 奈良句会(4月) 報告

ファイル 202-1.jpg

 4月1日 本来なら奈良公園の桜も満開の時期なのだが、今年はまだコートが必要なほどの寒さ。
 初出席は池田みほ子さんを含めて12名、糟谷尚遊さんは大事をとって今月は投句で参加して頂きました。

 第一部の句評会はいつも通りに100分ばかり費やす、最近は句を見ただけでは作者が判らない。投句側にも工夫が見える !(^^)!

第二部 句会 宿題は(以上)○=秀句 ◎=特選
   ★ 山田順啓 選
 さようなら我慢出来ないあんたには 怜依子
 ご注文以上ですかと不足そう   あきひこ
 それ以上揺するな悲しみがこぼれる 真理子
 目が合った以上口説くのがマナー 寅次郎
 ボーダーラインになんとかしがみ付いている 憲子
○待てないわ私に薹が立ってくる  怜依子
○十両になった途端に所得税   孝志
○学び舎へ最後の校歌眼を閉じて 菜摘
◎姥桜コンマ以上をめざしてる  隆子

   ★ 板垣孝志 選
 参加した以上意義では済まされぬ 順啓
 食卓の笑顔何よりのご馳走   寅次郎
 これ以上空論止めて消費税   尚遊
 以上です何か文句がありますか かえる
 以上です言った後から実はそのー かえる (-は不要かな)
 目が合った以上口説くのがマナー 寅次郎
○ご注文以上ですかと不足そう  あきひこ
○事務的に以上ポッカリ穴があく 隆子
○どうみてもペット以上のもんやない あきひこ
◎それ以上揺するな悲しみがこぼれる 真理子
   ★互選最多得点句
 それ以上揺するな悲しみがこぼれる 真理子

 以上でも以下でもなくて・・・ の句があり、参加者の意見を集約すると「自由吟として読めば良い句なんだけれど、課題の以上に以下を付けた事で句想を弱めてしまっている」と言う事で、0点に
 

 第三部・印象即吟はピンクの紙を8の字にして中央をホッチキスで止める。 放り投げると回転しながらゆっくり落ちる。
        (写真は『0から始める手作りおもちゃ』より)
無限大に生きてみたらどうなるの
世の中は一か八かと不退転  あきひこ ★(1点句)
花吹雪よりも侘しい紙吹雪   孝志  ★
天と地とトランポリンの夫婦道 怜依子 ★
蝶になり海を越えよう無限大  菜摘  ★
春うらら眼鏡を変えてショッピング みほ子 ★★(変より替が)
気げんよく遊ぶ母みる娘の涙 隆子   ★★ (娘=こ?あり)
スカイツリーから金ひらひらと四月馬鹿 寅次郎 ★★
放射能天地を支配して無限   宥子  ★★★
はなびらの一枚春を待ちきれず 憲子  ★★★★
わたくしの心よ空を飛びなさい 真理子 ★★★★★

 終了以後は句会場即懇親会会場。
 御主人のご好意に甘えて、珍しい酒や珍しい肴で賑やかに懇談して解散!  おつかれさまでした~ !(^o^)/

 

 

 

2012.04.02

アイコン 静岡句会から

 4月1日(日)
第61回センマガ静岡句会を開催した。
 出席者は15名(女性10名)

 句評会から
○ 桃・さくら つぎはわたしの番ですね  明日歌
 自信たっぷりなんだなーという声があがった。

○ お嬢さーん返事しちゃった 四月馬鹿  洋子
 ためしにお嬢さーんと呼んでみた。ハーイと返ってきた。
(^0^)

○ 今日の雲バターロ-ルで調子いい  季楽々
 頭も冴えている。こういう目で見られる雲も幸せだね。

○ エイプリルフ-ルの人事異動です  団石
 昔、左遷はおろか解雇(通告)まではねかえした。
作者は、どんな人事を断行したのか。

 句会「以上」 明日歌選
佳作 これ以上これ以下もない春うらら  ケンジロウ
   以上死してニヤリとする団子石  団石
   幸福度並以上です嫁に来て   まつゑ
   以上でも以下でもないよちどりあし  夢花
   以上にも以下にもなって夫婦仲  武子

秀句 生きている以上ごめんの繰り返し  虚路狸
   声援へ予想以上に出る力    恭子
   以上から始まる長い電話口  句ノ一

特選 宣誓を笑顔でしめた石巻  虚路狸

「以上」 夢花選
佳作 幸福度並以上です嫁に来て  まつゑ
   これ以上望むとゼロに戻りそう  恭子
   声援へ予想以上に出る力  恭子
   以上にも以下にもなって夫婦仲  武子
   セシウムが以上以下では虫まよう 洋子

秀句 生きている以上ごめんの繰り返し 虚路狸
   以上から始まる長い電話口  句ノ一
   長生きをすると年金破綻する  弘

特選 人生の半分以上妻の顔  明日歌
 
 サロンから
「知的に楽しむ川柳」と完司さんの「川柳の理論と実践」の中から、秀句を「虫食い」にして考えてみた。
 さらっと読むよりこのほうが名句の味がじわっと利いてくると感じた。

 次回静岡句会は
5月6日(日)コミセンで行います。
 あなたをお待ちしています。
(^^)

2012.03.28

アイコン 川柳マガジンクラブ茨城句会3月例会

ファイル 200-1.jpgファイル 200-2.jpgファイル 200-3.jpgファイル 200-4.jpg

川柳マガジンクラブ茨城句会3月例会
平成24年3月26日(月)
第62回川柳マガジンクラブ茨城句会が茨城県取手市の取手市福祉会館で開催された。
 出席者は、大谷仁子、山口幸、岡部洋子、中村裕子、浅野ゆき子、本荘静光、高橋まさ、坂倉敏夫、葛西清、世話人の林比左史、太田紀伊子の11名。当日の宿題と選者、入選句は次の通り。
3月句評会
・特に話題にあがった句
孤立死を防ぐ小さなお節介       岡部洋子
底辺で組むスクラムははじけない    太田紀伊子
欲ばらず目線平らに続く趣味      高橋まさ
愚痴聞いてくれる下弦の月が好き    葛西 清
混迷のままで未曾有な年明ける     坂倉敏夫
・その他句評会出品作
天下り入れて会社に箔つける      林比左史
高齢を言い訳にして自己嫌悪      浅野ゆき子
ファックスで歯切れの悪い彼の舌    山口 幸
北海道見果てぬ道をかけ抜ける     中村裕子
電線の隙ない椋のサスペンス      大谷仁子
おぼろ月恋もおぼろの散歩道      本荘静光

三分吟「春雨」本荘静光 選
ばらの芽の紅さにやさし春の雨     岡部洋子
冷たくて恋も出来ない春の雨      葛西 清
春の雨ぬれて歩けば風邪をひく     中村裕子
春雨の似合う年頃とうに過ぎ      大谷仁子
鍋の中具の春雨が多すぎる       林比左史
春の雨けむるようだと言った人     高橋まさ
ロマンスが見えた昔の春の雨      山口 幸
ただ一つ知ってる端唄は春雨      太田紀伊子
寒々と春の雨降る弥生月        高橋まさ
春雨が育む万物嬉しいな        岡部洋子
菜種梅雨桃も桜も湿りがち       林比左史
春雨じゃ言ってもらった時もある    山口 幸
人 うっかりと濡れていられぬ春の雨  山口 幸
地 春雨のサラダにしよう温い日だ   太田紀伊子
天 また逢える鼓動を濡らす春の雨   岡部洋子
軸 月遅れ聞くだに寒き春の雨

四分吟「坂」山口 幸 選
しのばずにさだまさし聞く無縁坂    本荘静光
坂下の店で一服皆を待つ        浅野ゆき子
夫婦坂歌の文句とはいかず       浅野ゆき子
下り坂調子に乗って転んでる      葛西 清
女坂ならば優しい情が涌く       岡部洋子
坂を上り身体の具合確かめる      坂倉敏夫
さっそうとヤングは越える登り坂    太田紀伊子
坂道を上る下るは時の運        高橋まさ
なんだ坂こんな坂にあるまさか     岡部洋子
こんな坂と登った昔懐かしい      大谷仁子
アップダウン車でも気が重くなる    本荘静光
地震以来小さな坂が増えている     太田紀伊子
人生の坂はいつでも中途です      岡部洋子
坂道を譲り合ってる夫婦道       太田紀伊子
日の当る坂道だけを登りたい      中村裕子
人 この坂を登り切ったら未知の国   本荘静光
地 坂などは気にせず買った分譲地   林比左史
天 しみじみと母恋いている女坂    岡部洋子
軸 流した涙無駄でなかった女坂 

宿題「地震」太田紀伊子 選
地震予知分からないから旅をする    浅野ゆき子
震災後一人で帰る仮住い        山口 幸
震度七想定内と危機煽る        高橋まさ
井戸の水三十度超え震度四       中村裕子
すわっ地震病臥の母の盾となる     岡部洋子
また余震落ち着けの声震えてる     岡部洋子
地が揺れて花も叫んで散ったのか    山口 幸
被災地の子等頼もしいインタビュー   大谷仁子
直下型睨み住宅ローン組み       林比左史
にわとりと卵か断層と地震       本荘静光
人 地震などなかったように値上げ案  坂倉敏夫
地 体験の震度六なら笑ってる     林比左史
天 遺産分け余震の予感兄いもと    浅野ゆき子
軸 震度二かなと園児まで慣れる日々    
没句鑑賞
防潮堤口惜しがってる背の高さ
 防潮堤は津波や台風に必要なので直接地震が感じられない。
震度五も余震と思えば怖くない
 中八である
甘えるな地震被害は自己責任
 下六です
我が身より東海村を案じます
 案じるのは東海村だけじゃない 

2012.03.19

アイコン 第67回川柳マガジンクラブ東京句会(3月例会)

川柳マガジンクラブ東京句会3月例会

 3月11日(日)第67回が開催されました。
 この日は昨年東日本大震災が発生した日に当たりますので、14:46には句会を中断し全員起立して黙祷をしました。

 今回の参加者は22名、欠席投句が10名、合計32名でした。
出席者:お世話役、植竹団扇、松橋帆波
小野六平太、伊藤三十六、白勢朔太郎、丸山芳夫、山田こいし、唯夕、菊池順風、宮本游子、本間千代子、うさぎ、ゆめか、成島静枝、水野絵扇、高田以呂波、星野睦悟朗、関玉枝、小倉利江、白子しげる、村田倫也、佐道正
投句者:伊藤縁太、小川正美、加藤品子、ヨモギ、直井芳枝、飯島圭子、石田きみ、石崎流子、藤原栄子、棚橋くんじ

 句評会は出席者が3句ずつ選びますが、結果はゼロ票10句、一票6句、二票6句、三票3句、四票4句、五票2句、七票1句でした。
 今回も、句評会の互選ゼロ票で、かつ誰も質問したいという印をつけなかった句は掛け合いで論評しました。静枝さんと唯夕さんが担当しました。今回のゼロ票と一票は分かりやすい句が多かったのでいつもほどには議論が盛り上がりませんでしたが、ゼロ票の中から少し分かりにくかった句を2句取り上げます。
  入学も出産も越境をする  団扇
静枝「ごろが悪いように思います。越境をするを上五に持ってきたらどうでしょうか」
唯夕「興味あるテーマだが何となくごろが悪い」
帆波「我々のよく知る越境入学と出産の取り合わせだけでなく中国の越境出産のことも入っているのかと思う。たしかに読み下しにくいですが」
作者の団扇「(一人っ子政策を逃れるために)香港で出産することに驚き、わざとリズムを悪くしました」
  春の海のたり牙を研いでいる  流子
静枝「中六なので「やいば」とかした方が良いと思う」
唯夕「何に向かって、とかがイメージできませんでした」
?をつけた倫也「のたり「と」とすれば音字数は整うのですが」
欠席した作者のコメント「おだやな海だったがいつでもあの津波のような怖さを秘めているのだと思いました」
音字や「牙」についてがやがや発言があり「作者は「やいば」のつもりだったのかもしれない」という意見がありました。

 次に二票から四票で、出席者からの発言が多くて盛り上がった句から3句。
  よく噛める入れ歯が上手く外せない  帆波
六平太「少しがたがある方がよいのだろうか、私はまだ入れ歯じゃないから分かりませんが」
游子「面白いなーと思いました」
次点に選んだこいし「良い句だと思いました。母が三十代で総入歯でしたが、外せなくなりました」
次点に選んだ芳夫「良いものはこんなこともあるのかなあと思った」
朔太郎「私は医者から朝晩外して磨けといわれているので不思議に思います。入れ歯でも高価なのもあるんですね」
あとは句よりも入れ歯の話でがやがや。
作者の帆波「・・・」
団扇「先月は老眼の句でしたねえ」(注:白髪染めしても老眼良くならず 帆波)
  竹輪麩は不愛想でも贔屓あり  唯夕
以呂波「私は嫌いだが兄が好き。贔屓ありが面白い」
芳夫「黙っているが好きな人が多い。野暮と粋が一緒になっているような食べ物」
利江「あれは戦後本物の竹輪の材料がないときに出来たのですよ」
団扇「本来は麩なんでしょうが(おでんなどの竹輪麩は)違いますね」
帆波「落語で竹輪麩が出てきますよね」
団扇「あれは麩のことでしょう」
と、古典落語の「時そば」にまで話が発展。
作者の唯夕「私はあまり好きではないのです。家内は好きなんですが。最も今のは良くなっているのかもしれませんが」
利江「翌日食べると(味が沁みていて)おいしいです」などまだ続きました。
  春風に乗るにちょっぴりダイエット  千代子
こいし「冬から春へ、冬の間に栄養取るので・・・」
芳夫「やっぱり春の行動を起こすには。恋をするにしても。ということでしょう」
正「春風に乗るがよい表現だなあと思った」
団扇「こういう表現よくあるけれどもね」
作者の千代子「ある句会の互選で票が入ったが、一方で「に」がおかしい、重なっているなど、良いという人と、おかしいという人がありました」
団扇「春風へ、もあるし、乗ろうもありかな」
正「言い変えもあるが、元のままでもおかしくないと思う」
団扇「このままで詠まんとすることはよくわかる人が多いのではないですか」

 今月の高得点句は次の3句です。
 五票句
  墨田区に虫ピンを刺す電波塔  芳夫
六平太「あるところから見るとこんな感じかなあ。墨田区は浮かれているがそんなにお金
落ちるかなあ」
しげる「虫ピンを刺すというのが気に入りました。これまで集客するところがなかった
のだろうか」
三十六「上から俯瞰して見たところがこの作者らしいと思う」
倫也「虫ピンを刺すがいい」
帆波「一目瞭然で上手い表現です」
作者の芳夫「昨日床屋さんでこの句を話したらよく分かると言いました。墨田区は真ん中が
くびれていて、蝶のような形なので虫ぴんとしました」
 最高の七票句
  下駄箱の隅に戦い終えた靴  しげる
游子「二通りに取れると思う。サラリーマンとも腕白の子供とも」
絵扇「私自身は足を痛めて以前の靴が使えないので以前の靴はこんなことになっています」
朔太郎「どのお宅にもある情景でしょうね」
睦悟朗「まさに我が家。(職を退いた後のことを)戦い終えたとした表現がよい」
こいし「サラリーマンのことでしょう」
正「定年になったサラリーマンの靴ですね」
倫也「靴を詠んだ句はよくありますが、この句は良い句ですね」
帆波「捨てられないでいること詠んだのが良い」
団扇「表現として上手ですね」
作者のしげる「皆さんの言う通りです。リーガルの良い靴で最後に気に入って履いていたことを下駄箱を開けたら思い出しました」

 課題吟は「区切り」白子しげるさんの選でした。
選者の弁「偏った選かもしれませんが、時事的なものは好まないので外しました。同想句が多いのも外しました」
「秀」
 六三三モラトリアムの序盤戦  游子
 縄張りの宿痾を治す術がない  倫也
 一語ずつ区切ってイヤですと言われ  正
  (笑い)
 仕切り線越える勇気と引く勇気  倫也
 隣との境に残る雪の山  玉枝
 ここいらで縁を切ろうか倦怠期  栄子
  (笑い)
 偽善にも飽きて絆の薄い文字  帆波
 金曜の酒は仮面を脱ぎたがる  帆波
 介護度の数字無慈悲に振り分ける  ヨモギ
 お袋と呼ばれて気付く子の自立  利江
「五客」
 母からの電話は句読点がない  正
 「孤立死」とカッコで括る病死餓死  団扇
 喪が明けて今日から生きる紅を選る  縁太
 老前整理まず手をのばす秘密基地  順風
  (笑い)
 四十九日鱗一枚剥がれ落ち  流子
「三才」
 人 挫折して一つ見つかる句読点  以呂波
 地 成さぬ恋泣くだけ泣いて積むキャリア  静枝
 天 親しみを長持ちさせる線を引き  以呂波
 (以呂波さんの天と地入選に拍手が沸く)
 軸 一区切り付けて女の貌になる  しげる

 この後、村田倫也さんがまとめられた、「駄目句一覧」(24項目に倫也さんご自身の句から例句を挙げられたもの)についてご説明があり、活発な意見交換がありました。
 ほんの一部ですが以下に示します。
7、ご苦労様句
  気後れにシャッターチャンス取り逃がす
  飴玉をなめて緊張解きほぐす
  告白のチャンス逃してまだ独り
倫也「よい子ぶり句のことです。自分は一生懸命やっているが、リアリティが少ない」
15、胆なし句(一句の中に要(かなめ)の語がない句)
  教養を積んだ御方は違います
  冗談で言ってる訳じゃありません
  君だけに今度のことを打ち明ける
倫也「句の中に問答がある方がよい」
帆波「課題によっては句会で抜かれる可能性のある句が多いですね」
24、人真似句(慣用語を使うと真似句になりがち)
  オアシスを求めさまよう都市砂漠
  雲行きに耳を立ててる風見鶏
  生と死の思いを託す曼珠沙華

 次回の東京句会は4月8日(日)駒込学園にて開催です。
 課題吟は「遠のく(表現自由)」三句詠です。
 詳しくは、新葉館のホームページをご覧下さい。

2012.03.17

 大阪定例句会報告

定例より1週間早い句会を13日開催した。
日取りの変更と夜の為参加者10名と少なかった。
宿題「模様」の入選句は次の通り。
・コート着て三寒四温探す春
・模様見の姑に硬軟使いわけ
・春模様まっ先に描く岬の子
・オーロラは一瞬だから美しい
・セシュムの描く模様を持て余す
・模様はどうあれ手編みは愛である
・ギザギザのまま暮れてゆく三・一一
・風紋がおひとりさまを弄ぶ
・背に毘沙門ギョッとさせた日もあった(特選)
・あの日から心にやるせない模様
・水玉を着て虫になる花になる
・何となく知るドアのむこうの荒れ模様
・描いては消し風紋のエンドレス(特選)

次に席題「八」の秀句。
・ぴり辛を振りかけてくる八つ当たり
・八起き目に足を掛けられ転がされ
・その時は八面六臂の妻がいる
・好きにせえ八方破れ汗まみれ(特選)
・8人で1人借りて草野球
・八合目気力体力締め直す
・八起き目につかんだものはネコジャラシ
・八賭けで買った詩集のあたたかさ(特選)

「句評会」の主なものは下記。
・誠実な冷たさホッと座る石(十点)   おもわせぶり
・この辺で冬との別れ話する(七点)   季節感
・悩むのはよそう菜の花を前にして    中八もリズム感で
・戻り道 風に揉まれて風にいる     ミステリー観
・信号はみんな春へとやわらかい     ソフト感

「サロン」では歳時記からの引用で学んだ。
「水ぬるむ」の俳句として
・しなやかな子の蒙古痣水ぬるむ
・水温む流れるものに歩をあわせ
・日輪をとろりと乗せて水ぬるむ
同じ課題での川柳。
・三月のコンクリートが濡れている
・さらさらと春の小川の五段活用
・春の水全開にして顔洗う

俳句と川柳の区別がよく分からなくなってくるようだ。
「季語」の便利さがよく解る事例である。

次回は定例の期日、時間(4月17日13時~)にて開催 
します。遊びに来て下さい。

ページ移動